登記所には、土地の区画(筆界)を明確にするための資料として地図が備え付けられることになっています。公図は、地図が備え付けられるまでの間、「地図に準ずる図面」として地図に代わって備え付けられている図面で、土地の大まかな位置や形状を表すものです。
公図の多くは、明治時代の地租改正に伴い作成されたもので、現況と大きく異なる場合があります。





明治時代の技術では正確な測量が難しかったこともあり、また、徴税の参考資料として作成されたという背景もあり、現況とは一致しないことがあります。
ただし、公図の他に土地の位置や形状を示す公的な資料がない地域では、土地の大まかな位置や形状を明らかにできる点で資料価値があるため、現在も利用されています。
現在、地籍調査という事業が実施され、公図を正確な地図へ置き換える作業進められていますが、全国の都市部(DID)において正確な地図があるといえる地域は20%に留まっています。(平成20年度末時点)





国土交通省においては、平成16年度から18年度にかけ都市再生街区基本調査を実施し、市区町から収集した情報及び現地踏査を元に、公図の角の点に対応すると考えられる現地の点の位置を測量しています。
これらの点を基準として、できるだけ差が小さくなるように公図と現況図を重ねたときの乖離を「ずれ」と表現しています。
この「ずれ」の値は、現在の公図が正しい地図を作るためにどの程度有用であるかの目安を示すものです。現地で測量した点は土地の所有者に筆界であることを確認した点ではありません。また、一筆ごとの土地それぞれについて公図とのずれを示す目的で作業をしたものでもありませんので、ご利用にあたってはご留意ください。





本サイトで提供している公図と現況のずれ情報は、都市再生街区基本調査の成果です。都市再生街区基本調査は、全国のDID(人口集中地区)のうち、地籍が明確になっていない地域を対象に実施されたため、地籍が明確になっている地域やDID外の地域については、公図と現況のずれに関する情報がありません。





公図と現況がずれていても、単に公図が土地の区画(筆界)を明確にするための資料として充分な精度や正確性を持っていないということが明らかになっただけであり、土地の所有権や筆界には影響ありません。公図はあくまで土地の大まかな位置や形状を知るための資料であり、これによって所有権が左右されることはありません。





公図と現況がずれているとしても、単に公図が土地の区画(筆界)を明確にするための資料として充分な精度や正確性を持っていないということが明らかになっただけです。
ただし、土地の区画(筆界)について、現況とずれている公図しか資料がない地域では、筆界に関する記録が充分に整備されていませんので、将来、以下のようなトラブルが起こるかもしれません。
また、このような地区については過去の測量が正確でなかったため登記されている土地の面積(地積)が間違っていることがあります。








隣人と確認の上で境界標を設け、その管理に留意するなど、日頃から境界めぐるトラブルを防止するための行動が必要です。機会があれば、隣人と立ち会いの上で正確な実測図を作成することもおすすめします。
なお、法務省では「筆界特定制度」を創設して土地の筆界の特定を支援しています。当該制度では、測量費用など自己負担は伴いますが、登記官により迅速かつ適正に土地の筆界の特定を受けることができます。詳細については最寄りの法務局にお問い合わせください。
また、市町村等により地籍調査が行われる場合には、関係地権者の立ち会い等を経て、正確な地図等が作成されます。地籍調査の成果である地図及び簿冊は法務局に備え付けられます。なお、地籍調査事業は市町村等が実施するものであり、住民の費用負担はありません。実施を希望される場合は、自治会、町内会などで話し合い、地域の声として市町村役場に相談されてはいかがでしょうか。





公図と現況のずれの傾向は下表の通りです。

分  類 枚  数 比  率 備  考
  精度の高い地域 17,995   5.5%     ずれが10cm未満
  小さなずれのある地域 47,942   14.5%     ずれが10cm以上30cm未満
  ずれのある地域 91,311   27.7%     ずれが30cm以上1m未満
  大きなずれのある地域 164,057   49.8%     ずれが1m以上10m未満
  きわめて大きなずれのある地域 8,253   2.5%     ずれが10m以上
329,558   100.0%